琺瑯タンク
2023年1月12日 (木)
2022年9月 5日 (月)
琺瑯タンクの余生 66 ● 奈良県吉野郡十津川村谷瀬
先の奈良県は野迫川村への旅。ちょっと遠回りながらせっかくやしとお子にも体験と谷瀬の吊り橋へ…ってクルマでの道すがらかつて行ったことあるやんと思いつつもまぁええわと。
お子とお子の連れに「渡っておいで」と勧めつつ自分は「やっぱり苦手」と橋のねきでしばし休息。そこから見える景色を素晴らしいなぁと愛ででおりますれば川の向こうにありますわ、琺瑯タンクが2本。
小さく見えるそれは密閉型のヤツふたつ。赤茶けて元々の色も判らん様な状態でちと痛々しい感じがします。あまりに遠くの存在ですのでもひとつどういう余生を過ごしているのかはさっぱり判りませんでした。
いつ頃どこからやってきたものなのか…昭和30年の日本醸界年鑑を見てみましたが十津川村には一軒の酒蔵も記載されていませんでした。密閉型のタンクであることを思うとそれ以前に十津川村にあったかもしれない酒蔵のものではなく他所から持ってこられたものでしょう。
かつてはどんな集落にも一軒は造り酒屋があったことかと思いますけど、山奥の人口の少ないところはどうやったんでしょう。ま、大昔であれば各家々で仕込んでいたのかもしれませんね、濁酒とかを。
2022年7月19日 (火)
琺瑯タンクの余生 65 ● 和歌山県紀の川市穴伏
先の第64号を撮ろうとクルマを停めたその横にも琺瑯タンクがありました。
味わいある木造建屋の隅にひとつ。パイプで建屋と繋がっています。まわりを見渡せばビニールハウスや収穫物を入れるカゴなどがありますが農業用としての余生を過ごしているのかどうなのかはもひとつわかりませんでした。
ストリートビューで過去を見ますと2019年の画像ではこの横にも一本タンクが映っています。長年ふたつ並んで余生を過ごしていたんやろなぁと思うとちょっとしんみりします。ま、琺瑯タンクも人間も一緒やってことかと思うとなおのことさみしいなります。
2022年7月 3日 (日)
琺瑯タンクの余生 64 ● 和歌山県紀の川市穴伏80
桃の季節到来も何や台風来るらしいで…ってことで、実が落ちてしもては味わえんでと急遽和歌山は紀の川市桃山町へ。9時前に着くもどこの選果場も農家も長蛇の列。台風前やからなのか日曜やからなのかちょっとびっくり。ま、何とか某農園で少しだけ買うことができて次は某蔵元に味醂買いにと向かってますと、国道沿いにこんな琺瑯タンクを見つけました。 和歌山行けば琺瑯タンクにあたる、ですね。とは言えいつもみたいに農園の片隅に置かれているのではなくてこの状態。写真では判りにくいかもしれませんがこれ、横の建物の雨どいがタンクに直結してあるところをみると、まわりの農作物用に雨水を溜める日々を送っているのでしょう。
ストリートビューで見ますとここはかつて酒屋さんやった様で、手前に置いてあるP箱はその頃の名残の様です。
2022年6月20日 (月)
琺瑯タンクの余生 63 ● 滋賀県甲賀市水口町伴中山
密閉型を中心に10本ほどの琺瑯タンクが雨ざらしの中、錆びゆく様子が何とも痛々しいですょ。 「こんな余生は嫌や」…って声が聞こえてきそうなこの有り様に心痛めつつ引いて見ますれば、川向かいに酒蔵が。そうか…地球温暖化やら吟醸造りで温度調整できるタンクに置き換わってここに放出されたってことなんでしょう。何やこっちまでさみしいなります。
帰宅後このあたりをGoogleマップで調べますと、酒蔵と同じ場所に◯◯産業という名の貸倉庫業の名前も出てきました。ということはお酒の生産量が減って酒蔵を倉庫としても使うことになってタンクは追い出されたってことかもしれません。
いずれ生産量が再び増えた時のためにとってあるのということも考えられますね。何げに見ていましたけど、琺瑯タンクを川を越えて移動するもの大変な話。そもそもここへ持ってきはっただけでもご苦労があったこと思うとなおのことタンク復活の時が再度訪れることを願わずにはおれません。このまま朽ちては寂しすぎです。
2022年3月21日 (月)
琺瑯タンクの余生 62 ● 大阪府羽曳野市駒ヶ谷
ぶどう農園の脇にデンと一本琺瑯タンクがありました。
錆びた緑色の密閉型。ちょっと不気味にも見えますけどある意味その風合いがこの山あいに溶け込んでいるともいえる状態…でもやっぱりちょっと怖いと感じるのは、密閉型の形状も手伝ってのことでしょう。
場所柄を思うと元々は葡萄酒の醸造に使われていたものかと思いますけど…そやっ、梅酒づくり用って可能性もありますね。ここ駒ヶ谷と言えばワイン以上に梅酒でしょ、チョーヤのね。
2022年2月20日 (日)
琺瑯タンクの余生 61 ● 大阪府羽曳野市飛鳥
ドーナツ買ってよってって寄って竹内街道通って羽曳野のぶどう畑を貫く広域農道を行きますれば道端に、悲しい琺瑯タンクを発見。
これは余生を送る図というよりもう屍といった感じ。道とビニールハウスの狭間に横たわっていました。
まぁ正確には横たわるなんて状態ではなく捨てられてナナメになってるって状態。開放型の小振りのそれは酒母用のものやったのかと思いましたけど、ここら辺には葡萄酒の醸造元がいくつかあること思えばこれ、ワインの醸造に使われていたものかもしれません。
ほぼ錆びて元々の色であった緑は僅かに残るだけ。そんな状態にして製造元が記された銘板が誇り高く輝いていました。肝心の製造年月の刻印がもひとつ読めない状態ながら、くっきり残る“東京日本容器工業”の文字。調べますれば分離、統合の末、今は日本容器工業となっている様です。余談ながらその社の沿革を見ますれば、昭和初期に“和樽の製造販売”からスタートした会社とか。神鋼ファウドラーよろしく琺瑯タンクってのは鉄鋼の会社が手掛けはじめたもんなんやと思ってましたけど、樽や桶に始まり時代に即して様々な容器を手がける会社と発展してはるスタイルもあるんですね。そうか、それ思うと自分も商いのカタチを変える必要がある様に思えてきましたで…ってそんなアイデアも勇気もないんですけど。
2022年2月 2日 (水)
琺瑯タンクの余生 60 ● 和歌山県有田郡有田川町沼田
森の中、木漏れ日浴びつつ溶け込む琺瑯タンク。
車から降りて坂をのぼって間近に見ると…木々に囲まれた風情とは全く違ったシチュエーションでした。
やや小振りの開放型。珍しい茶色…ですがよく見ると元々は藍色やったものを環境に合わせて塗装し直した様です。胴の周りに角材などが巻き付けられていますがもひとつ理由がわかりません。ひょっとしたらこれも景観に合わせての配慮なのか…いやファッションとしてこの様な意匠が施されているのかもしれません。
呑口にはペラペラのホースが繋がれていますがそれだけでは何の用途として使われているのかはわかりません。
これくらいの大きさでこの色ですからまわりともそれなりにうまく余生を過ごしている感じに見えました。
2022年1月22日 (土)
琺瑯タンクの余生 59 ● 和歌山県有田郡有田川町東丹生図
県道22号線のバイパス沿いのみかん山にありました。
密閉型の大振り、胴には前回の物件同様“お問い合わせは農協へ”のシールが貼られていますので、わりと近年ここにやって来たのかとストリートビューで調べますと2014年1月のそれにはなく、同年12月のには写ってますので2014年よりここで第二の人生を過ごしているのでしょう。タンク上部にホースが繋がれていますがタンクの用途まではちとわかりませんでした…って、まぁいつもですけど。
2022年1月12日 (水)
琺瑯タンクの余生 58 ● 和歌山県有田郡有田川町中
和歌山を行けば…はい、琺瑯タンクの余生です。
県道沿いにデンと備えつけられたそれは開放型。色合いはオリジナルのままって感じ。ストリートビューでここを見ますと、2014年にはまだ設置されていませんのでまだ歴史浅しといったところ。胴体に何か貼ってある話と近づきますれば“お問い合わせは農協へ”とあります。
そうか…この手の琺瑯タンクは農協が手掛けていたとはって感じ。そこにはタンク使用の注意書きなどが記されているのですが、下の部分には電話番号等とともに“ウッドワーク”とあります。ウッドワーク…これは今も木桶の製作を手掛ける藤井製桶所の現屋号。そうか、近年琺瑯タンクから木桶による仕込みに変えてはる酒蔵がちらほら出てきていること思えば、引き取ってはこの様に農協経由で農家に斡旋してはるんですね。知らんだわと思いつつウッドワークをストリートビューで見ますと玄関にデンと琺瑯タンクが数本。もはやこれも本業なんかもしれませんな。
より以前の記事一覧
- 琺瑯タンクの余生 57 ● 和歌山県有田郡有田川町中373 2021.12.10
- 琺瑯タンクの余生 56 ● 和歌山県有田郡有田川町大字中峯 2021.11.16
- 琺瑯タンクの余生 55 ● 和歌山県紀の川市名手下 2020.11.22
- 琺瑯タンクの余生 54 ● 和歌山県有田郡有田川町大字中峯 2020.09.13
- 琺瑯タンクの余生 53 ● 和歌山県有田郡有田川町大字中峯 2020.08.31
- 琺瑯タンクの余生 52 ● 和歌山県有田郡有田川町大字本堂 2020.08.14
- 琺瑯タンクの余生 51 ● 和歌山県海南市海老谷 2020.02.21
- 琺瑯タンクの余生 50 ● 和歌山県伊都郡かつらぎ町大字新城 2020.02.09
- 琺瑯タンクの余生 49 ● 和歌山県有田郡有田川町大字彦ケ瀬 2020.01.09
- 琺瑯タンクの余生 48 ● 和歌山県有田郡有田川町大字西ヶ峰 2019.12.15
- 琺瑯タンクの余生 47 ● 和歌山県田辺市上芳養 2019.09.20
- 琺瑯タンクの余生 46 ● 和歌山県田辺市上芳養 2019.09.03
- 琺瑯タンクの余生 45 ● 和歌山県田辺市龍神村龍神 2019.08.21
- 琺瑯タンクの余生 44 ● 和歌山県有田郡有田川町修理川29あたり 2019.07.13
- 琺瑯タンクの余生 43 ● 和歌山県伊都郡高野町高野山670 2019.06.25
- 琺瑯タンクの余生 42 ● 奈良県葛城市今在家 2019.01.05
- 琺瑯タンクの余生 41 ● 京都府京丹後市大宮町周枳954 2018.09.08
- 琺瑯タンクの余生 40 ● 奈良県五條市西吉野町黒渕 2018.08.17
- 琺瑯タンクの余生 39 ● 岡山県美作市壬生2292 2018.08.07
- 琺瑯タンクの余生 38 ● 和歌山県紀の川市平野210 2018.07.02
- 琺瑯タンクの余生 37 ● 兵庫県南あわじ市阿万東町 2018.06.26
- 琺瑯タンクの余生 36 ● 大阪府堺市堺区栄橋町2丁4 2018.04.02
- 琺瑯タンクの余生 35 ● 香川県高松市塩江町上西乙582あたり 2017.08.07
- 琺瑯タンクの余生 34 ● 香川県高松市塩江町上西乙1339あたり 2017.08.06
- 琺瑯タンクの余生 33 ● 和歌山県有田郡広川町南金屋500 2016.11.02
- 琺瑯タンクの余生 32 ● 和歌山県有田郡広川町上中野 2016.11.01
- 琺瑯タンクの余生 31 ● 和歌山県有田郡広川町唐尾359 2016.10.31
- 琺瑯タンクの余生 30 ● 長崎県佐世保市下船越町 2016.08.18
- 琺瑯タンクの余生 29 ● 和歌山県伊都郡かつらぎ町中飯降85 2016.08.06
- 琺瑯タンクの余生 28 ● 和歌山県伊都郡かつらぎ町寺尾54-61 2016.07.19
- 琺瑯タンクの余生 27 ● 島根県松江市宍道町宍道1345 2015.04.09
- 琺瑯タンクの余生 26 ● 滋賀県甲賀市水口町三大寺 2014.10.17
- 琺瑯タンクの余生 25 ● 石川県珠洲市真裏町ほか 2014.08.08
- 琺瑯タンクの余生 24 ● 岡山県瀬戸内市邑久町福谷 2013.04.25
- 琺瑯タンクの余生 23 ● 長野県長野市信州新町山上条 2012.09.22
- 琺瑯タンクの余生 22 ● 広島県呉市豊浜町豊島ほか 2012.09.12
- 琺瑯タンクの余生 21 ● 和歌山県紀の川市粉河 2012.09.02
- 琺瑯タンクの余生 20 ● 和歌山県かつらぎ町平 2012.08.19
- 琺瑯タンクの余生 19 ● 和歌山県かつらぎ町広口 2012.07.28
- 琺瑯タンクの余生 18 ● 酒の神様松尾大社で 2011.11.19
- 琺瑯タンクの余生 17 ● 奈良県平群町富貴畑 2011.08.29
- 琺瑯タンクの余生 16 牛舎の片隅にて 2011.08.10
- 琺瑯タンクの余生 15 信貴山麓の農業公園駐車場にて 2011.03.31
- 琺瑯タンクの余生 14 但馬の牛小屋にて 2010.09.30
- 琺瑯タンクの余生 13 草津線、車窓の彼方に 2009.04.20
- 琺瑯タンクの余生 12 再登板待つも 2008.10.02
- 琺瑯タンクの余生 11 用途明快! 2008.09.11
- 琺瑯タンクの余生 10 何か怪しげ… 2008.09.10
- 琺瑯タンクの余生 9 雨水集めて… 2008.05.06
- 琺瑯タンクの余生 8 合併で使命終える。 2008.04.10
- 琺瑯タンクの余生 7 畑の端で使命終える… 2008.04.04
- 琺瑯タンクの余生 6 みかん畑で 2008.01.19
- 琺瑯タンクの余生 5 葡萄畑で 2007.12.27
- 琺瑯タンクの余生 4 山麓で余生待つ 2007.12.07
- 琺瑯タンクの余生 3 中ホーロー10万円也 2007.12.06
- 琺瑯タンクの余生 2 但馬杜氏の郷で 2007.10.24
- 琺瑯タンクの余生 1 野ざらしで余生待たされ… 2007.07.20
最近のコメント