恩智の“二ノ𣘺”親柱に
茶の湯の稽古の前にマルゲン醤油醸造元さんへいつものお味噌買いに。近年ずっとこれひと筋。不要不急の外出を控えたお陰でここのお味噌に出会えたこと思うと、生活圏の再認識という点においてはコロナ禍、悪いことばっかりではなかったんかなぁとか思いつつ歩いてますれば足元に小さな石の親柱。しっとり雨に濡れているからでしょうか、彫られた字がくっきり認識できてええ感じやんと近寄り見ますれば…何となく可愛いですよ。
きっとそこに彫られているのはたぶん“二のはし”。“は”が“む”の“ヽ”のないみたいですからそう読むのも無理があるかなと思いつつ向こう側の親柱を確認しますと“二ノ𣘺”。やっぱり“二のはし”で正解。漢字の方はカッコよろしいな。女性的と男性的…今日的には言ってはいけませんけど、そんな感じ。
しかしながら何なんですかこの『“む”の“ヽ”のない』字は…と思いつつ見たことはあるなぁと考えてみますれば…あれやっ!蕎麦屋の暖簾とかに記されてる文字の様な意匠の様な…わかりますかね、これの最後の一文字が“む”みたいなヤツと一緒ですわ。
長年「何なんやろ?」と思っていたんですけど、これで“生そば”と読むものの、元々の漢字は“幾楚者”とのこと。その漢字を変体仮名に置き換えたモンやと。てなわけで“二のはし”の“は”に当たる部分はこれが刻まれているってことなんですね。
そう言えば他の親柱とか道標にも「何やわからん」な文字を見ることありますけどこれらも変体仮名なのかも。そやとわかると今まで読めなんだ石碑も少しは理解できるってことですかね。よっしゃ、今度記事化できずお蔵入りしている橋の親柱解読してみよっ…と、いま見ましたけどそれは漢字。やはりそれなりの基礎がないと読めんもんです。
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