サラメシ終了に亡き父のこと思い出しあれこれ
NHKのテレビ番組“サラメシ”終了したそうでもうこれかなり残念。まぁしばらくは未再生の録画があるからええんですけどさみしいなぁ。
かなり好きな番組のひとつやったんですけど、亡き父はこの“サラメシ”が嫌いやったんですよ。
ニュアンスとしては“嫌い”と言うより“怒り”が湧いてくる番組やったみたいです。わからんもんですなぁ。
訊くまでもなくその番組に対しての父の感情は「なに贅沢ぬかしとんねん」なもの。食うや食わずの時代の戦中戦後が育ち盛り、世帯を持ったら今度は家、そして家族の維持にいっぱいいっぱいでお昼はご飯と漬物程度で凌いてきたとのこと。そんな時代を生きてきたひとの中にはそう言う感覚であの番組を見てたんやなぁと。“妬む”やなく腹立たしく感じていたみたいです。
そうなんか…と思います。自分が育ててもろてた幼少期〜青年期に父親がそんな状態、思いで日々生活してたやて考えもしませんでしたしそんな雰囲気まったく醸し出してませんでしたから、うん。
晩年になってつい爆発しそうになってたんですなぁ。そう言えば山本龍造が世帯を持つという時にも心情を吐露しはりました。その内容にも「えっ、そうやたんか…」がいっぱい詰まっていました。心の中っちゅうのは、見えんもんです親子といえど他人には。そうやっ!“男は黙ってサッポロビール”よろしく男は背中で語るもんやったんですね。やと言うのに鈍感な我はその背中から何も汲み取ることができてなかった…。
で、サラメシ。“どんな人が何を昼に食べたか”な番組ながら、その本質は“あんな人こんな人みなコツコツ日々を歩んでます”なところにある訳でそこに発見と共感を覚えてええ番組やなぁと思ってんですが、父親にとったらそれ以前に見るに耐えん贅沢さやったんでしょうなぁ。「昼飯くらい贅沢せんとさっさと食えや」でイラっときて。気持ちはわからんこともないんですけど…いま、昭和やないからなぁ。
世代の差(ジェネレーションギャップ)、今の親子間にはあんまり感じないですよね。親子で山下達郎やらサザンのコンサート一緒に行くとか聞きますやん。ですけど自分と親の世代は…そやなかったですよ。まぁうちの両親は演歌や浪曲こそ聴きませんでしたけどそらぁ別世界に生きてたと思います。その根底に流れる価値観も当然違います。ですけど父親(=母親もですけど)自分の価値観をいっさい強制しませんでしたわ。それ思うともうね、たまらん感謝の気持ちが湧き上がってくるってもんです。
「お前はその辺どやねん?」と極楽から訊かれるまでもなくそのね、お子に対して価値観押し付けてる部分があるわなぁと。無関心はアカン、ですけどそっと見ているってなかなかできんことで。まぁ、人間できてへんなぁってサラメシなくなり父思い出しあれこれ思った訳です。
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コメント
こんばんは。
昭和初期を生き抜いてこられた方々は、人間の器が違いますね。御父上も然り。
「苦労は買ってでもしろ」と昔からの言葉がありますが、真実をついた言葉やなあと思う時がありますわ。。
投稿: tatsuya-zz | 2025年3月16日 (日) 22時27分
●tatsuya-zzさま
苦労か…身に付くそれとそやないそれがあるなぁと思います。
きょうびの労働環境ってまぁ改善されたところもあるでしょうけど、労働者を使い捨てる風潮のところもあって、そういうところでの苦労は別モンですよね…って“苦労”やないですかね。
ほんまのええ社会ってなかなかできんのかなぁ…って、自分に何ができるんやろか。
ま、頑張ってるなぁって思うひと、とくに自分より若いひとを応援するしかできませんかね。
ウダウダ記してしまいました。
いつもコメントおおきにです。
投稿: 山本龍造 | 2025年3月20日 (木) 10時34分
そうですね、たしかに言われる通りやと思います。
質が悪い苦労(…という言い方がいいんかどうか)は、逆にその人の心を冷やしてしまうってことも、ありますもんね。
僕がまだ子供やったころ、ご近所同士で「ちょっとお米貸して~」とか、「お醬油貸して~」というやり取りが残っていました。
振り返ると、あの頃はまだ”おおらかさ”があった、なんかいい時代やったなと思う時があります。
時代が進んではるかに便利が良くなりましたけど、それと引き換えに何かが無くなっていった気がしてなりません。
なんか、記事のお話からそれてしまいました。ご勘弁ください。<(_ _)>
投稿: tatsuya-zz | 2025年3月20日 (木) 17時56分
●tatsuya-zzさま
“利便性を追求したら大事なモンを忘れてきてしもた”ってことですかね。
いたずらに「昔は良かった」と言うのも危険ですけど、なんか…ね。
ある程度の揺り戻しはあるかと思いますがもう戻れないやろなぁと。
とは言え暗黒の平成も終わって令和も7年、
悪しき“昭和の常識”も次々問題視されてええことやなと思てます。
まぁ…世界的に見ればかなりヤバい状況でこれまた悶々としますけど。
コメント欄、どうぞお気楽に使ったってください。
いつもおおきにです。
投稿: 山本龍造 | 2025年3月20日 (木) 22時11分