昭和なプラ看板 243 ● 伏見のお酒 富久寶
京都へ仕事に行く途中、昔より運転しながら眺めていたこの看板。ちょっと時間に余裕があるわで、ようやく撮れました。
○ずっと前からこの風情、町家にすっかり溶け込んでいます。ちょっと小ぶりなのもまた看板条例のある京都にふさわしいですね。
酒名の王道、髭文字で記されているのは“富久寶”。“伏見のお酒”と上にある通り、伏見区にあった蔵元“富久宝酒造”が手掛けるお酒でしたが1995年春に廃業、今は遠く離れた福岡県の“鷹正宗”にその名は引き継がれています。ほかに“嵯峨紅梅”という“淡麗甘口”を売りにしていたお酒も出されていましたが、こちらは伏見の招徳酒造に引き継がれています。ただし“淡麗甘口”を謳ってはる訳ではなさそうです。
じつは廃業される2年ほど前に所用で蔵に訪れたことがあるんですが、その当時、新しい醸造システムと話題になっていた液化仕込のひとつ“姫飯造り”のプラントを導入し“平成蔵”を立ち上げたばかりでした。旧蔵も残されていましたが「全量新方式で醸しています」とのことで「ここはずっと続けて行きはるな」と思ってましたので、まさかの廃業でした。
で、“淡麗甘口”ですが、今はどうかわかりませんが当時、その姫飯造りで仕込むと精米歩合にかかわらず淡麗な酒に仕上がると言われていて、たとえ甘口でも淡麗に仕上がる特性を利用して造られたお酒やったんではないかなぁと…まぁ、想像の域を出ませんけれども。
廃業される前、近くにはうる覚えですが“酒ハ富久寶”と書かれた琺瑯看板が杉板の塀にあってええ風情でしたが、それも同時期に撤去しはって…徹底されていたんやなぁと思うと、この看板が残っているのがより愛おしく感じられます。明ごころに名誉冠、玉龍、出世盃、大正菊、仙界…灘もそうですけど伏見の中堅どころも…いっぱいなくなってしまったもんです。
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