琺瑯タンクの余生 53 ● 和歌山県有田郡有田川町大字中峯
先の記事同様、道を間違った結果出くわした琺瑯タンク。
やや小ぶりの開放型のが道路脇にひとつ。ガードレールの隙間にうまいこと収まって平坦な景色にアクセントを与えています。
酒蔵から放り出されて長い歳月が流れたのでしょう、もう全面錆びサビ。まぁその方が景観には溶け込んでええとも言えるわけですですけど。まわりにこれといった農地が見られませんでしたので、どういう用途で第二の人生を歩んでるのかがもひとつわかりませんでした。
グルっと見ると…おっ、銘板が残っています。一応撮っておきましょう。
割とよく見かける“灘琺瑯”製のものですね。まぁ古いもんやというのは全体から伝わってきますけど住所にある“兵庫縣武庫郡本庄村”、これってどこやねんって感じ。wikiで調べるに現・神戸市東灘区の一部とのことですけど、もうこれだけでも充分年代物であることがわかります。ちなみに本庄村は昭和25年に消滅したということですから、少なくともこのタンク、70歳以上ですね。
それからこの“灘琺瑯”も今回調べて色々知りました。社名に“灘”と付くことから、てっきり灘の酒造家などが資金を出して作った会社なのかと思ってましたがじつは新潟の4つの酒造家たちが昭和2年に資金を提供してできた会社とか。詳しくは灘琺瑯の流れをくむ日本容器工業グループの“ものづくりストーリー”をお読みください。
更によく見ると“專賣特許”やら“新案登録”の文字。一世紀の時を経て再び“木桶”が見直されている昨今ですが大正の時代に起こった大腐造などを機に衛生的な琺瑯タンクの時代がやってきたことを思うと、すっかり錆びサビなヤツですけど当時は最先端な醸造機器やったんでしょうなぁ。そうか…そやねんなぁと。
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