昭和なプラ看板 206 ● なるほどの酒 長龍
まだまだ見かけるからええかと思ってましたけど、すっかり街の酒屋さんがコンビニに淘汰されてしもて気がつけばあんまり見ん様になりました。
いずれこれを…と思うも、その写真データがどこにあるのかもわからん状態やったんですが、新ネタ不足で過去の5月の写真をチェックしてますと…8年前のファイルから出てきました。
“なるほどの酒 長龍”…この看板は大阪は当然、近畿圏のそこここの酒屋さんには大抵取り付けられていた様に思うのは、我がが河内モンやからでしょうか。まぁ中河内ではどこの酒屋にも掲げられていたと言っても過言ではないでしょう。当時…そうですねぇ昭和は50年代くらいでしょうか、ラジオは当然、テレビでもCMがよく流れてました。さ、一緒に歌いましょう「なーるほーどよい酒 ♪ 長龍」…ま、五十路以上に人はきっと口ずさんでくれはったことでしょう。加藤登紀子さんの声でした。
で、ですわ。歌では「なるほどよい酒」と唄い、このプラ看板にあるのは「なるほどの酒」…わずかな違いながら気になるところです。で、まだあちこちに残る長龍のプラ看板の中からなぜこれをと思ったかというのが…そう、写真の通り大きなブリキ看板には“なるほどよい酒”とあるからです。
「どっちでもええやん」と言う声も聞こえてきますが、どうでもええことこそ気になるもんです。“よい”という表記が根拠不充分ってことで時代的に問題になったのかもしらんなと当時思ってました。実際、浦霞長龍やったか純米吟醸のレッテルのみ“なるほどよい酒”表記でしたから、うん。 で、過日、長龍酒造の蔵開きに行ったときに関係者の方にその件を訊いてみたところ「うちは分家で天理の本家が“なるほどよい酒”なので遠慮して“なるほどの酒”に変えました」という趣旨の返答をもらいました。そうか…八尾の長龍は分家やからってことですね。そんなこと思い出しつつ先日実家で断捨離してますと、昭和の終わり頃の印刷物が出てきまして、そこに天理の長龍の新聞広告、そして八尾の長龍のチラシもありました。それ見ると…はい、やっぱり天理の本家のは“よい酒”で、八尾の分家は“の酒”になってますわ。
自家醸造せずも“八尾の酒”やと贔屓に思っていた長龍は本社を八尾から奈良は広陵町に移し(裏切り者め!…なんてね)、天理の本家は廃業し…数年前のことながら随分状況は変わったもんです。“特級仕込みの酒をあえて級別審査に出さすに二級酒で”と、その従価税分のお得さを売りにしていた“慶雲長龍”もあんまり見かけん様になりました。と共に“なるほどの酒”のフレーズも…然り。ま、安酒イメージからの脱却をはかるには“なるほどの酒”も足かせになるってもんなのかもしれませんね。“の酒”はともかく“なるほどよい酒”って、秀逸のフレーズやと思うんですけど。
(於:住之江区) ま、勝手に“お国自慢”な訳なんですよ、中身違うも“八尾の酒”やから。
※関連記事:
『長龍の“ふた穂”』 2014年1月 記
『長龍のボテ箱…懐かしなぁ。』 2012年9月 記
『龍の年…『長龍』の懐かしラベルふたつ。』 2012年1月 記
『“浦霞長龍”…覚えてはりますか?』 2008年2月 記
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コメント
はい、こぶし効かせて、一節♪
語り口に酔わせていただきました、ふふふ。
投稿: mita | 2020年5月28日 (木) 09時12分
●mitaさま
…やっぱり歌えましたね。語り口に…いや、やっぱりCM曲に酔いつつ一献がええなぁ。
コメントおおきにです。
投稿: 山本龍造 | 2020年5月30日 (土) 21時02分