八寸の上に“○”、開くと“無事”。
某所の茶会によんで頂きました。
かつての記事“〇〇正宗”でも触れたこの茶会、いつもほぼ平日に催されるので、今年は毎回仕事と重なって一度も寄せて頂けなかったのですが、今回は「なにが何でも行こ」と。で、いやぁ、よかったなぁ。
亭主の宗匠自らが濃茶点前をされる…その厳かな時の流れと続いて供された薄茶の穏やかな空気感と…次客から四客に出された茶碗にはそれぞれ大胆な大根の意匠があって…師走ですなぁ。
あんな道具こんな道具、どれもまぁ私には“ネコの小判”ではあるものの、引率頂いた先生方のお陰で気持ちよくお茶をよばれ、点心席へ。
八寸の上に和紙、そこには円相。手に取り広げれば朱で“無事”。
…たまりません。粋(すい)な。亭主が書かれたのかどうなのか…まぁその辺は想像に任せよと思とりますれば、どなたかが点心席を預かる某料亭の女将さんに質問。これはそこの料理長が書かれたとのことでした。「これ、コピーやろな」と言う人もいましたが…そんなわけないない訳で…これも目で味わう料理のひとつですなぁ。
料理も当然、もちろん今回も“〇〇正宗”を堪能。今回は3つの味がありましたが、やっぱりどれも美味。緊張しつつも上質な時間の中でええ具合に酔って…とは言えいつまでたってもこんな空間では異端やなぁと感じつつ、徐々に徐々に面の皮が厚くなっていってるんかなぁとも思う、そんなひとときでした、わ。 しかしまぁよぉ受け入れてもろてるわなぁ。ちいとは勉強せぇよ、わし。
| 固定リンク | 0
「茶の湯」カテゴリの記事
- 初釜で雑感(2025.01.11)
- 綾ノ町電停、午後4時25分。(2024.10.18)
- 今宮戎の献茶式へ、令和六年。(2024.01.08)
- 令和六年、初釜。(2024.01.07)
- 堺大茶会へ(2023.10.14)
コメント
伯母が亡くなって茶会に顔を出す機会も無くなりました。
まぁ、膝を悪くし正座ができないので、正直、畳に座布団のところには近づきたくないんですけどね。
15分もつかなぁ?
投稿: 戦後派 | 2014年12月12日 (金) 06時20分
大根の意匠の茶碗ですか。ええですね、素敵ですね。
これから、お正月にかけて、お茶の世界は色々あって、楽しいですね。ええ茶道具屋さんの前を通ると、月ごとに展示が変わってて楽しいですよね。クリスマス柄の茶道具とか、和菓子もあって、それも可愛いし面白いねんけど、やっぱり私は古典的な、それこそ大根の意匠とか、そーいう方がええなあと思うのは、年を取ってきたからなんでしょうか?
投稿: 天王寺蕪 | 2014年12月12日 (金) 06時48分
灘には“まる”なんてお酒から元祖“櫻正宗”まで多様な日本酒があります(笑)。
正宗と云えば日本刀の代名詞ですが、“○○正宗”と名をつけた蔵元さんが全国津々浦々にありますナ。山邑酒造に拠れば仏教の「臨済正宗(せいしゅう)」から「清酒(せいしゅ)」が閃いたとか(汗)。切れ味の鋭い旨い酒ちゅう事でんな!
CMなどで知名度が一番高いのは菊正宗でしょうか…
断酒のお蔭で今年も「無事之名馬(能力が劣っていても無事に走り続ける)」とかなんとか(涙)。
投稿: 難波のやっちゃん | 2014年12月12日 (金) 08時15分
無事 是 貴人 とも言いますね❗️
投稿: ん❓ | 2014年12月12日 (金) 10時51分
私の座右の銘は 無事是貴人 無事が一番
投稿: tougei1013 | 2014年12月13日 (土) 07時38分
若者はある意味「有事」に憧れ、自分を奮い立たせたりするのでしょうが、もうこの年になると「無事」が有り難くて尊くて。
「無事」の滋味をを味わい尽くしたいと思っております、はい。
投稿: おばちゃん | 2014年12月14日 (日) 19時30分
●戦後派さま
先生クラスのお方でも正座できなくなってはるひともおられますね。立礼までいかずとも、もうちょっと足腰に負荷のかからんお茶があればええなと思いますが…無理なんでしょうかね。
●天王寺蕪さま
そうですね、私はつい最近までクリスマス柄の茶碗とか「けっ」と思てた口なんですけど、最近は「それもええやん」と。こっちの方が歳をとってきた証かもなと思うんですが…どうでしょ?
●難波のやっちゃんさま
正宗の元祖であり宮水発見の蔵であり麹菌の培養を自社で手掛ける珍しい会社であり…桜正宗はかなり頑張ってはるのに…どっか正宗の後発“菊正宗”の陰にかくれて事情を知らんひとにはどっか偽モンと思われて…気の毒な気がします。もっと桜正宗呑むことにしますわ。
●んさま
“無事 是 貴人”から取ってはるんやと思います。
●tougei1013さま
ええ座右の銘ですね。歳を重ねて、その意味のよさを知りました。
●おばちゃんさま
やっぱりそうでしょ。同世代ですね。確かに若い時から“無事”なんて言っててもなぁって感じ。せんど世間にあらがってきたからこそ…今は“無事”の有り難さがわかるなぁ。あと“普通”とか“平凡”もあれだけバカにしてたのに、なんと尊いことなんやなぁとしみじみ。頑張らんと“普通”は維持できんということが…わからなんだんですなぁ。
皆さんコメントおおきにでした。
投稿: 山本龍造 | 2014年12月28日 (日) 19時03分