松竹梅は、ほんまに一升5円の高級酒やったんや。
かつて石原裕次郎氏の出演で、「タクシーが円タクと呼ばれ、何処まで走っても1円だった頃…」と言ってた松竹梅のCM。その続きは「…一本五円もする酒があった」。どっかで「ほんまかいな」と見ていたけれど…
…ほんまやったんですね。
これ、龍野のうすくち醤油資料館に展示されていた“小賣價格表”で、“昭和十三年九月一日 大阪酒醤油商阪南昭酒會”とあります。そこに堂々、ちゃんと“松竹梅 一升瓶 五圓〇〇”とありますわ。
でも…以前、ある本に「一升五円の松竹梅は、宝酒造のではなく、灘の松竹梅酒造の酒のこと。松竹梅の商標は、戦後の混乱期に宝酒造へ譲渡」とあり、やっぱり「何かなぁ、他所の手柄を自分とこの手柄にしてるみたいやなぁ」ともひとつ釈然とせなんだのですが、どうやら、その松竹梅酒造の経営に宝酒造も参画していたとのことです(宝ホールディングス、TaKaRaの歩みによる)。ちなみに松竹梅酒造はその後、“灘一”に名を改め、現在に至っています。
ま、これで何とも釈然とせんなぁと長年思てたことがすっきりしました。
しかし何です、この様に価格が同業者間で統一されていた時代が、もうすっかり懐かしく感じる様になりましたね。安くで買える有り難さを思う反面、競争競争薄利多売って時代もしんどいなぁと思いますわ。
なお、この表には醤油やソースなどの価格も載っています。2枚目の写真はクリックでかなり大きくなりますので、興味ある方はぜひご覧ください、ちょっとブレてますけど。
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コメント
戦時体制で翌昭和14年10月に“価格等統制令”が施行されてますネ。
しかし二リットル・一升・一リットル・五合・三デシリットル・一合と換算がややこしい(笑)。
それにしても日本盛、菊正宗、大関、白鶴の倍以上とは驚きです。
白鷹も高いワ。
国家安全保障会議の創設や秘密保全法の提出など75年前の“国家総動員法”を彷彿させます(汗)。
投稿: 難波のやっちゃん | 2013年11月 6日 (水) 09時51分
小学校の1~4年は「日本盛」の酒蔵に囲まれた校舎で、日本酒の甘い香りに包まれたことも多々ありました。
父母達の墓参りの際は、辰馬家の大きな墓(敷地もでかい)の横を通ります。
彼岸からこっち墓参りをしていないので、近い内にまた
出かけるとしますか。
投稿: 戦後派 | 2013年11月 6日 (水) 11時41分
サッポロ黒ビール大瓶一本42銭の時代に一升5円とは‥
醤油16リットル樽詰め 、東丸が5円-龜甲萬は5円30銭‥
オモロイわ 75年前の価格表、飽きへんね‥
投稿: ん❓ | 2013年11月 6日 (水) 19時38分
●難波のやっちゃんさま
価格等統制令”が出て、松竹梅は安くで呑める様になったのでしょうか。それとも安酒づくりにシフトしたんでしょうか。
2リットル瓶はその昔“リットル瓶”と呼ばれて醤油の標準瓶でしたが、今は、どうなてってるんやろかと調べますと、1994年まで使われていたとか(キッコーマン)。今は一升瓶らしいですが、醤油を瓶入りで買うことなんてなくなりましたね。
で…ちょっと難儀な時代になりつつあると感じますが。他人事やと思ててはいけませんね。
●戦後派さま
そう言えば灘、西宮で生まれたんですね。酒の甘い香りにつつまれての幼少時代…よろしいなぁ。最近の酒造工場ではあまりその様な香りが漂ってくることもなくなった気がするんですが、どうなんでしょう。墓参りのついでに、チャックをお願いしときます。
●んさま
でしょ、こういう当時の生活に直結した資料とううものは、ほんま楽しいです。
皆さんコメントおおきにでした。
投稿: 山本龍造 | 2013年11月20日 (水) 07時13分