呉の瀬戸内、“きぢ醤油”。
古いレッテルでお楽しみ(?)頂いている間、旅に出かけていました。
まずは広島は呉へ。旅と言っても家族旅、アホげ探しに興じる訳にもいかずでこれといったネタを持ち帰ることはできませんでした。しかし何ですなぁ、いつ見てもどこで見ても、瀬戸内の風景って…よろしいなぁ。これは野呂山キャンプ場からの眺め。穏やかさが奥の奥まで満ちていて、みているこっちも満たされますわ。
ここで2泊。2日目に「かしわのすき焼きでもするか」ということになり海辺のスーパ−へ。具材はうちのひとにまかせて私は醤油をあれこれチェック。地のそれよりキッコーマンやマルキンの方が安いという現実。地元の醤油を手に取れば、“混合”方式の製法で…本醸造の方が安いというのも変な感じです(余談ですがいわゆる“地醤油”は、この“混合”もしくは“混合醸造”の造りをしてるものが多いです)。で「やっぱり…マルキンにしとこかな」と思た時、べつの社の醤油が目に止まりました。
髭文字で記された『きぢ』の文字。そう言えばそういう名の醤油があることは知っていましたが、これは本醸造でしかも丸大豆モン。「瓶入りやし、これは高いで」と思てましたら何のなんの、900ml詰で398円なり。想像の半値以下。これなら買えると即購入。まぁすき焼きには勿体なかったですが、きれいなテリのやさしい味わいのおいしい醤油でした。
帰宅後あれこれ調べてみますと、全国に約1500の醤油屋さんがあるそうですが、その中で自前でイチから醸造しているのは、150軒ほどとか。ということは9割までが他所で造った生醤油を調整して売っているということですか。こういう事実は以前から聞いてはいましたが、そこまで合理化が進んでいるとは知りませんでした。
で、“きぢ醤油”ですが、再仕込醤油の技術に改良を加えた“醸造弐段仕込”の技を中心に据えて他社に真似できん製品を生み出してはる様です。時代に流されることなく、さらに深化させて勝負する…頑張ってる人があちこちにいるんですね。呉のええ醤油に出会えて、ちょっと嬉しなりました。
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コメント
きぢ醤油。
いかにも地方産らしい名前がいいですなあ。
♪黄色いラベルの~
ヒゲタ醤油♪(ラジオCMです。)
♪もうす~ぐパパが~
帰ってくるから
ンンン~ンンンン~ン
小さ~な しあわーせ
ルルル マル天醤油
うす口よ(セリフ) ♪
(土曜の昼過ぎにTVでやってました。)
今では無くなってしまった醤油のCMソングです。
投稿: わい | 2012年9月 4日 (火) 00時41分
わいさま
ヒゲタのそれは、確かに昔ラジオ大阪で耳にしたことがありますが、マルテンの方は…知りませんね。“マルテン”…なんか近年見かけませんね。淡口といえばヒガシマルひとり幅をきかせてはって。色んなもんが知らん間に弱小になって、新たな会社や商品が主役になる…そんな中でずっと売れてる商品を手掛ける会社があるというのは、すごいことやなと思います。
コメントおおきにでした。
投稿: 山本龍造 | 2012年9月 5日 (水) 17時53分
ごぶさたいたしておりました。
我が家も廃業して久しいですが、三十数年前まではすべて自家醸造でしたね…懐かしいです。
人手が要るんですよね。となると、人件費がかさむ→大メーカーとの価格競争には太刀打ちできない、となります。
大量生産品が水より安く売られていたりもしましたし…(泣)。
それでも「お宅の醤油でないとあきませんねん」言うて買いに来てくれるお客さんはありがたかったですね。
いいものが安く買えるっていいですね。
投稿: ぽんぽこやま | 2012年9月 6日 (木) 19時58分
ぽんぽこやまさま
ちょっと
ポンさんのこと気にしつつ記事にしました。
人件費…この問題がやっぱりいろいろ社会を変えたんやろなぁと思います。「修理するより買い替えた方が安つく」という電化製品のそれもちょっと違う様で同じことなんやないかと思います。
小規模メーカー価格押さえてが何とか生き延びているのは「過労でっせ」と言うくらい蔵元自らが働いてはるからで…このスタイルも結構リスキーですね。
難しい問題です。
コメントいつもおおきにです。
投稿: 山本龍造 | 2012年9月10日 (月) 09時11分