『一の湯』廃業、そして解体。
今日、上六への道すがら、こんな光景を目にしました。
10日ほど前のことでしょうか、おちびちゃんと「風呂屋行こ」という話になりまして、いつもの風呂屋へ行こと言いますれば難色を示しよりまして…「行けへん」と。
と言うのは、いつもの風呂屋で過去に、食べ過ぎた餃子をもどしたことが一回、お湯にのぼせたか鼻血出したことが一回あってそれがどうもトラウマになっているみたいでして、「風呂屋行きたし、でも、いつもの風呂屋には行きたなし」みたいな状況におったんですわ。
「ほな、別の風呂屋さん行こや」と言うと、「行く!」と盛り上がりよりまして、いつもの風呂屋さんにこころの中で「ごめんね」と言いつつスルーして向かったのが、ここ、この写真のお風呂屋さんでした。
近くまで行きますれば、何とも暗くていつものひと気がなくて「この路地やなかったんかいなぁ」と道を誤ったのかと思いつつ風呂屋さんのあたりを見ますれば…そこにはシートで覆われた物件が。上を見ますと煙突が見え、南の角には“解体計画予定”の看板が…ひっそりと廃業していたのでした。
「近場の風呂屋さん、あちこち巡ってみよな」と言っていたのに、行くまでに廃業とは…甘かったなぁ。我々が行かんかったから廃業に追い込まれたんかなぁとか思ったり思わんかったり。近場では大手湯、法円坂温泉とふたつもなくなってしまったこの事実。これはどう考えても原油高がかなり経営に響いたのやないかと思わずにはおれません…などと思っていましたらびんみんさんの日常旅行日記内の先日公開された記事“柴島の集落(大阪市東淀川区)”のお風呂屋さんに関するところに、以下の様なことが記されていました。
“今は薪で焚かないと、高騰した石油を使っていては割に合わないという事情も聞きます。”
やっぱりそうなんでしょうなぁ。きっと全国的にも今、廃業に追い込まれてるお風呂屋さんがたくさんあるんやないかと思いますが…皆さんのお近くのお風呂屋さん事情は、どうですか?
「いっぺんいきたいな」と思っていたこの『一の湯』には、結局一回も入ることがなかったなぁ。『法円坂温泉』もまた然り…「いつまでもあると思うな」ですわ。
で、あれこれおちびちゃんにお風呂やさん廃業とその置かれている状況を説明すると何となく…ほんと何となくレベルですが理解した様子で「いつもの風呂屋にもまた行く」と言ってました。ゲロと鼻血のトラウマからこれで抜けることがでできたらええんですが…どぅかなぁ。
最後に天日にさらされた『一の湯』の壁画の写真を載せておきます。
この絵は男湯のものか女湯のものか…向かって左側の浴室にあったものです。やっぱり…“富士山”なんですね。
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コメント
公設市場とお風呂屋さんは20世紀の名残でしょうか?
確かに家風呂はコンビニエンスですが、たまに手足を伸ばして湯に浸かりたいと思います。
「たまに」では営業は成り立たないとも思います。
大阪市内も天然温泉の大きな銭湯は増えているようですが・・・
投稿: 戦後派 | 2012年5月31日 (木) 09時31分
大学時代に下宿していた時に通った銭湯が最近テレビに出てまして、ずっと前から薪で沸かしていたそうです。
お湯が柔らかいらしいです。
最近はスポーツクラブに通うお年寄りも多くて、ちゃんとお風呂がついてるんですね。毎月一定額を払えば、ほぼ毎日お風呂に入れるワケで、運動はせずにもっぱらお風呂に入るためだけに入会している人も多いです。
そういうことも銭湯の経営を圧迫しているかも知れません。
投稿: ぽんぽこやま | 2012年5月31日 (木) 20時07分
●戦後派さま
公設市場…公設市場っぽい私設市場も含めて、ほんともう見かけませんね。あったとしても、ほとんど営業してる店舗がなくて行くとさみしいなって…
“天然温泉の大きな銭湯”…これにもホント、お客さん奪われていると思いますね。最近はもう、家風呂のない家庭はほとんどないでしょうから、その“たまに”の客は、そういうレジャー施設っぽい温泉に行くでしょうし、価格も風呂屋より高いと言えど、その広さなどの満足度が違いますもんね…って、もちろん“風呂屋さん”の満足度ってのも、また違う意味で高いんですけれども。
●ぽんぽこやまさま
沸かす燃料によってお湯が柔らかいとか固いとかあるんですね。不思議な感じしますが、わかる気もします。
スポーツクラブのお風呂やシャワー…確かにこれも風呂屋さんの経営を圧迫してる存在かもしれませんわ。私も…まだちょっと景気良かった頃には、スポーツクラブをそんな風に利用していた時期がありました。
なかなか…どんな業界も個人経営では太刀打ちできん時代になってしもたもんですね。
お二人とも早々のコメント、有り難うございました。
投稿: 山本龍造 | 2012年5月31日 (木) 22時10分
山本龍造さん、こんばんは。
読み進めていって、私の記事の話が出てきて、あれれと。
ご紹介ありがとうございます。
一の湯自体は知らなかったのですが、このところかなりのペースでお風呂屋さんが消えていっていますね。
そして、大手湯も既にないのですか。こんな街中でよくやってはるなあと思ってたのですが。
あまり足しにはならないけど、また入りに行こ。
投稿: びんみん | 2012年6月 1日 (金) 00時19分
びんみんさま
びんみんさんはわりと行く先々でお風呂入ってはりますね。私なかなかよく知らんお店なり風呂屋なりによー行かんタチでして…そういうしょーむない自意識過剰は、もう捨てよと思っています。ホンマに経営の足しにはならんでしょうけれど、ちょいちょい入浴する人が増えたらなぁと思いますね。
それで、“大手湯”さん。私も「よーこんな街中でやってはるなぁ」とクルマの中からうちのひととその営業されてる状態を見たのが、つい先日の様に思てたんですが…数日前見ると、解体ももう終盤といった感じでした。
すっかりなくなってしまうより、たとえ駐車場なんかでもええから残ってほしい気もしますね。
コメント有り難うございました。
投稿: 山本龍造 | 2012年6月 1日 (金) 00時32分
駐車場と言えば、阿倍野高校の北の方にありましたねぇ。
今度近くを通ったら確認しておきますが、外側そのままで「屋根付き」駐車場になった元風呂屋さんが・・・
冬でも湯冷めしない距離に銭湯のあった時代が懐かしい。
投稿: 戦後派 | 2012年6月 1日 (金) 08時27分
家の近くには知る人ぞ知る『清水湯』さんがあります(笑)
今では“口先酋長”こと某首長が叫ぶように<刺青お断り>が殆どの銭湯ですが、此処だけは場所柄か多数入湯されてます(笑)
<富士山>をバックに“桜吹雪”の下で“龍虎相搏つ”方々と一緒に汗流してると世界観が変わりますヨ(冷や汗)
投稿: 難波のやっちゃん | 2012年6月 1日 (金) 09時48分
●戦後派さま
阿倍野高校の北の方…というのは阿倍野区阪南町1−17のことでしょうか? “大阪「かくれた ええとこ」再発見コンクール”で入選されていた物件ですね。
それ以外にも元・桃谷湯だったか、空堀商店街近くの物件もそういう使われ方しています。
しかしほんとですね、風呂上がり、家へ帰るまでに冷めない距離に風呂屋さんがあるというのは…今となってはとても有り難い話となりましたね。幸い私はそういう環境にいるので、ちょっと気づきませんでした。
●難波のやっちゃん さま
『清水湯』さんは…確かにちょっと府下の他の風呂屋さんとは置かれている環境がかなり違いますね。あのシチュエーションでは…そんな感じなんでしょうね。
ま、それなりに緊張しそうですが、「裸になったら皆同じ」的に、妙に一体感あって…って訳にはいかんですか…ま、そう思たとしても、やっぱりインパクトあるんでしょうね。私はここ数十年、遭遇していないのでちょっとわからん部分がありますわ。
お二人ともコメントおおきにでした。レスの激遅、いつもながらすいません。
投稿: 山本龍造 | 2012年6月 4日 (月) 00時00分
大阪市内にお風呂屋さん、確かに少ないです。よく夜行バス乗る前によってます。梅田のちょこっと離れた場所(鶴野町や中崎町)の銭湯は行ってます!梅田の一等地に近くいいとこなんで長く続いて欲しい!んでついでに路地裏探索…w
失礼しました!そいや、以前東京行って銭湯捜しをしたらなんと神田にあってオフィス街の真ん中にあっていつも満員!な銭湯にこないだ行きましたよ。大阪もこんだけ来たらええのに。
投稿: リラックマ | 2012年7月24日 (火) 01時58分
リラックマさま
深夜バス乗る前に銭湯でひと風呂浴びる…よろしいなぁ。
風呂のない住環境に住むひとが減ったいま、リラックマさんみたいな使い方をするひとがどんどん増えれば、風呂屋さんもちょっとはマシな経営になるかもしれませんね。どんどんお仲間増やしてください。
コメントおおきにでした。
投稿: 山本龍造 | 2012年7月24日 (火) 09時55分