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2012年3月11日 (日)

3月11日

 一年前のその日の揺れは、家でのことでした。私は全然気づかなかったのですが、うちのひとと客人が「なんか揺れてるんちゃいます?」と言い出し、表に出ますと、やはりそう思った人たちが口々にその様なことを口にしてはりました。見上げれば、電柱のケーブルが確かに鈍く揺れています。しばし立ってますとゆったり揺れていて「あ、ホンマに地震なんや」と思いつつ、歯医者の予約もあったので歯科医院に向かいました。
 地下鉄で移動ののち、数十分歩いて着いたそこはいつもと変わらぬ空間でした。しかし混雑する待合室に座りますと、やっぱりさっきの鈍い揺れが感じられます。そこで見たテレビに映った光景は…あの大惨事の有り様。「え?何なんこの光景」と思いつつその画面で事の始終を見ているその中で…隣の患者さんはチラッとテレビの画面を見つつもずっと週刊誌を読んではりました。その時の妙さがやけにリアリティを持って私の脳裏に刻まれています。
 「こんな大変な事が現実に起こっているのになんであのおばはんは平気で週刊誌を読み続けてたんやろ?」…その時感じた妙な違和感。しかしながら一年経った今、「自分の心にも宿っているやん」と気づかされました。
 風化させるにはあまりにもキツイ現実が日本に起こり、いまも続いているというのに自分の心はこんな有り様で…だからと言って何が語れるかと問われれば黙ってしまうこの弱っちさ。3月11日だけこんなこと記したらそれでええわけでも何でもなくて、とか思いつつも明日からまた普通に悶々としつつ生きてゆく。神戸の地震時、東京からの報道に「何じゃこれ」と思った気持ちもまたあれこれと思い出したり。「風化していくのは仕方ない事」とラジオのパーソナリティも言ってましたが、ほんまそうなんかもしれませんけど、いまだ解決してない諸々のことを思うとそう割り切ってもおれんわけで…こう記す事こそ無意味に思う、きょう3月11日です。

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