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2010年1月 3日 (日)

かつての大阪酒 8 『錦虎』 杉本清造

Nishikitora1 Nishikitora2 “今年は寅年”の第3弾は、長いこと更新していなかった“かつての大阪酒”より『錦虎』を。
 今残る大阪の造り酒屋は10数蔵とさみしい限りですが、1970年代には50数蔵もありました。それほどまだ多くの酒蔵があったにもかかわらず何故か中河内には(当時瓶詰法人だった『長龍』以外)一軒の造り酒屋も存在していませんでした。これは…多分ですが、大和川の付け替え以前、中河内は湿地帯で、米作に適さなかったから造り酒屋もなかったのではないかと私は思うのですが、定かな理由は解りません。
 そんな中河内にももっと以前には酒蔵があったと思われるのが柏原市です。その柏原は古町で最後まで酒づくりをされていたらしいのが、今回紹介する『錦虎』です。
 大和川近くの旧街道に面して錦虎の醸造元はありました。私が地酒に興味を持ってあちこち買いにまわっていた四半世紀ほど前には、もう既に廃業されていましたが、小さな酒販店をその蔵で営んでおられ、そこで当時枚方にあった小北酒造場に製造委託したお酒を『錦虎』銘の酒を売ってはりました。小北酒造場が廃業した今は、奈良県の千代酒造に製造委託されている様子です。
 このお店のHPを見ますと、昭和46年(1971年)まで酒づくりをされていた様ですが、水脈の変化により廃業したとなっています。

Sugimoto1 Sugimoto2
 「そや、寅年には“錦虎”呑まな」と思い出し、柏原は古町まで自転車で買いに行ってみましたら、残念ながらお休み。それでもやっぱり今でも『錦虎』ブランドでお酒を売ってはるみたいでちょっとひと安心しました。
 生産コストを考えれば、地酒蔵の経営はとても大変な事を思うと、せめてこんな形ででもそのブランドが残ってほしいと思います。何十年か先、世の中のシステムが変わって「よし、もう一回酒づくりやってみよか」って時代がくるかもしれませんもんね。そんな日まで、どんな形であれ残っていてほしい…真面目に一生懸命酒づくりに勤しむ蔵元さん達には悪い気もしますが、そんなことを思ったりしました。

錦虎:杉本清造
    大阪府柏原市古町

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コメント

初めまして。

こないだ急に突然「伊丹市にあった食産パンってどないなったんやろ?」って思って検索かけたらこちらのブログがヒットしました。
読んでるうちにとても懐かしいものやら、覚えているものばかり。早速お気に入りに入れて毎日拝見させていただいています。

旭ポン酢、やしきたかじんさんが絶賛ですよね。最近は私の近所のスーパーでも手に入ります。
まだまだ過去ログをさかのぼってる途中ですが、これからも楽しませてくださいね。

投稿: hirorin | 2010年1月 4日 (月) 13時05分

明けましておめでとうございます。

ご挨拶おくれました。
またまた新年早々ぼやいてしまいますが、実は11月、12月と大阪帰ってないです(涙)
帰れないときのなぐさめが唯一このブログになります。
今年もよろしくお願いします。

個人的に防火水槽がいいですね・・シリーズでも興味深いです。あと食べ物、飲料系!
早く帰りた・・・・い。好きです。大阪。

投稿: ke.kani0619 | 2010年1月 4日 (月) 22時15分

●hirorin さま
初めましてこんにちは。ようこそアホげにお越しくださいまして有り難うございます。
食産パン検索からここ…ですか。ほとんど役に立たなかったと思いますが、ま、他の記事で楽しんで頂いているみたいで何よりです。この内容で懐かしく思って頂けるという事は…ま、同世代ってことでしょうか?。
旭ポンズは、たかじんさんがよくメディアにて「うまい」と発言されているみたいですね。私はその昔、かなり昔、マーキーが…いや、まだマーキー谷口の頃だったか、FMの番組内で「最後の仕上げは…旭ポンズよ!」って言ってたのをよく思い出しますね。
過去ネタ含めて、これからもお楽しみ頂ければ幸いです。コメントおおきにでした。

●ke.kani0619さま
あけましておめでとうございます。本年も“アホげ”、よろしくお願い致しますね。
どうやら“大阪欠乏”に陥ってはるご様子。リアル大阪には遠く及びませんが、拙ブログで大阪風情を感じて頂ければ幸いです。
防火水槽は、ストック5つ持っています。ま、そればっかりに偏る事のない様、ばらけさせて紹介していきますので、気長にお待ち頂ければ幸いです。あと“飲料系”ですね。解りました。ネタは仕入れ済ですから…
コメント有り難うございました。

投稿: 山本龍造 | 2010年1月 5日 (火) 19時23分

こんばんわ。明けましておめでとうございます。今年もよろしくですm(_ _)m・・・て 遅いですね(^_^; 去年の夏場以降は色々忙しくてあまりこちらに顔を出せませんでした(^_^;


錦虎は以前にブログで取り上げた雲井桜(岡田酒造)の項で少し話題になりましたね。戦後の中河内の酒蔵と言うのは以前にも書きましたが・・・長龍を除くと、この柏原の錦虎と雲井桜の2蔵しか確認出来なかったように思います。

投稿: からす | 2010年1月12日 (火) 21時42分

からすさまお久しぶりでございます。
忙しい日々をお過ごしの様で。そんな状況でも拙ブログを覚えていて頂きまして、有り難うございます。

中河内の酒蔵だった長龍も本社を奈良に移しはってさみしい限りですが、何十年も先になったら、また酒蔵が生まれる…といいですねこの地にも。

今年もよろしゅうお願い致します。

投稿: 山本龍造 | 2010年1月13日 (水) 19時37分

こんばんわですm(_ _)m

このブログの事はもちろん憶えてましたよ(笑)夏場以降は・・・体調を崩して入院したり、色々忙しい事が重なってしまったので殆ど拝見のみになってしまいました(^_^;


長龍の本社が八尾から奈良に移転してたのは初めて知りました。


ところで柏原最後の酒蔵の件ですけど、この前中央図書館に行った際に1970年代前半の醸造家年鑑を調べてみたのですが・・・どうも錦虎ではなくて雲井桜(岡田酒造)のようみたいです。1972年版にも掲載されてました。

投稿: からす | 2010年1月21日 (木) 22時54分

からすさま
ちょっとご無沙汰している間に色々あったみたいで…で、今は大丈夫ですか? 元気にやってはりますか?。
大変なご時世で何やかんや無理せんならんこともあるかと存じますが、どうぞご自愛下さいませょ。

で、え?そうですのん…な情報を今回も有り難うございました。
ということは、今回のこの記事、うそ記事ってことですね。何と無責任な。

しかしたった1〜2年の違いで廃業されたとは、雲井桜と錦虎、ともに張り合っていたものの、片方がその争いから降りて、もう片方もテンション下がって「うちも、や〜めた」って感じやったんでしょうかね。

その昔、枚方は“みや鶴”の津田酒造さんで杜氏をされていた方が昔、ここで杜氏をされていたとおっしゃってました。

えらい昔のことですね。

コメントおおきにでした。

投稿: 山本龍造 | 2010年1月21日 (木) 23時31分

こんばんわ。


お気遣いありがとうございます。今は大丈夫で元気にやってますよ(笑)

私も調べてみるまでは雲井桜のほうが先に廃業したと思ってましたから・・・結構意外でしたよ。

張り合いを無くしたのもあるかもしれませんが・・・やはり錦虎と同じ理由(水脈の変化)によるものなんかなぁと思ってしまいました。あとオイルショックの時期も重なってますし・・・ところでネットで検索してみると、古町3丁目に岡田商店という酒類卸の会社があるのですが、もしかして・・・転業しはったのでしょうかね?


投稿: からす | 2010年2月 6日 (土) 22時15分

からすさま
元気にやってはるとは何よりです。
お酒づくりに水質も大事な要素でしょうね。現実には水道水を濾過し直して仕込みや割り水に使用されている蔵元もわりかしあるみたいですね。昔好きだった蔵元のお酒もやはり水道水を濾過して使ってはりました。
ここ10〜15年ほどで、酒類卸の世界は再編がとても進んだみたいで…酒類卸の岡田商店さんのことは、もひとつ今のことも昔のこともまったく知りません。雲井桜と同系列やったのかも知れませんね。
コメント有り難うございました。

投稿: 山本龍造 | 2010年2月 7日 (日) 22時03分

2010年にこのように載せていただいてありがとうございます。こちらの蔵も今年取り壊しにかかってます。長年の傷みがひどくなり、瓦が隣に落ちたりもう限界となりました。大阪の蔵を結構取材されて大変だったと思います。ご苦労様でした。

投稿: 杉本清造 | 2013年1月22日 (火) 09時48分

杉本清造 様
これはこれは(元?)蔵元自らコメントを…有り難うございます。
商品が法人名のものでは、気にならないのですが、お酒の発売元が個人名になっている御蔵のことを名入りで記事にしていいものか否かじつは悩んだのですが、「レッテルにも記載されていることやし、載せな」とお名前入りで記事にさせて頂きました。
それで…そうですか。蔵が限界で取り壊し中ですか。残念です。これであの界隈の趣きが、また変わってしまうことになるんでしょうが、仕方ないことですね。これからも『錦虎』印のお酒を売り続けられます様、心より願っております。
>>大阪の蔵を結構取材されて大変だったと思います。ご苦労様でした。
「大阪人にとっての地酒は大阪のお酒であって、地方のそれではないやろ」な思いがあって、20歳の頃からあっちこっちカブで蔵元さんを訪ねたものです。蔵元数も激減し、贔屓にしていた羽曳野の蔵元が廃業された頃(10年前ですか)から、あまり各蔵元さんを回らん様になりました。その頃できた縁もあって、毎年秋には、温泉町の「但馬牛まつり」へ行って但馬杜氏の醸す酒が一同に集まる「酒まつり」にはかかさずに行っています。残念ながら、錦虎にも出稼ぎに行っていたというおやっさんは、お亡くなりになってしまわれましたが、唄の上手な方でした。

長々とすいませんでした。
「錦虎」のこと、大阪の蔵元のこと、何でも構いません。また色々お教え頂ければさいわいです。
コメント有り難うございました。

投稿: 山本龍造 | 2013年1月22日 (火) 11時53分

からすさんが、長龍酒造について間違っておられるので訂正します。八尾市にあるのは瓶詰蔵で、造りは奈良県の広陵蔵で行われてます。
それと以前に瓦に文字が入ってるのが何かというのがありましたが、あの建物が、柏原の小学校の斜め前ぐらいに、尋常高等小学校がありました。その建物が、わたくしの住まいしている前に、移築されたものです。だから高少の文字が入っていたのです。

投稿: 杉本清造 | 2013年1月22日 (火) 14時25分

但馬まで行かれてるとのこと、蔵元として行ってないのが恥ずかしいです。安田のおやっさん(杜氏の長のこと)が亡くなられておられたとは知りませんでした。
枚方の蔵のことは、枚方通信で知りました。
北河内にも9件ほどの蔵があったみたいで、今は重村さんと、大門さんだけになってるみたいです。
今は普通酒を造ってもなかなか売れないので、大変みたいです。錦虎も以前は、本醸造でしたが蔵の都合で純米酒に変更されてます。佳撰(以前の2級酒)は普通酒になってます。、

投稿: 杉本清造 | 2013年1月22日 (火) 14時36分

杉本清造 様
たびたびコメント有り難うございます。お書き頂いた順に。
“長龍”ですが、こどもの頃は、八尾で造っているもんやと思ってました。元々は府下南河内の2社と奈良県下1社の共同びん詰め工場やったと聞いたことがありますので、大阪の酒でもあったんですね。
それで、“高等学”と鬼瓦にある建物のこと、お教え頂き、有り難うございます。これでスッキリしました。あの記事に関しましては、結構色んなお方が興味を示されましたので、ここにコメント頂いたことを、後日、追記というかたちで反映させて頂きたいと思います。
但馬牛まつり内“酒まつり”ですが、残念ながら年々出品酒が減っているのが現状です。醸造元にも余力がないのでしょうか、蔵元自ら酒づくりをされる蔵が増えて、昨年からは但馬地方出身者ではない人も但馬杜氏組合に迎え入れる様になったということでした。
安田のおやっさんにも、ほんとよくして頂きました。“成功正宗”“みや鶴”廃業後には“片野桜”に移られるというまさにずっと大阪の酒を醸し続けたお方でしたが、最後は姫路の蔵へ行かれました。
北河内では近年、“富士霞”の重村酒造場が廃業され、今は交野の大門酒造、山野酒造の2軒となったみたいです。
千代酒造さんが醸す『錦虎』、純米版はまだ口にしたことがありませんので、またの機会に味わわせて頂くこととします。
色々お教え頂きまして有り難うございました。


投稿: 山本龍造 | 2013年1月22日 (火) 17時56分

あっ ここ 私の親戚の家や~~~~

たけした 大阪市

ご無沙汰しております~
ここの向かいが母の出ですわ~~
毎年酒かすを貰ってました~~

投稿: たけした | 2013年1月22日 (火) 19時40分

たけしたさん。確か歯医者さんですね?

投稿: 杉本清造 | 2013年1月22日 (火) 23時57分

●たけしたさま
●杉本清造さま
拙ブログが「ご無沙汰しております~」の挨拶の場になっていること…うれしく思っています。
“錦虎”の酒粕も…さぞ美味しかったことでしょうね〜
やっぱり造り酒屋さんで分けてもらう酒粕は、スーパーのそれとは全然違いますもんね。うちはいま、“片野桜”の酒粕で粕汁を…うまいです。

投稿: 山本龍造 | 2013年1月23日 (水) 10時07分

杉本さん はいそうです あきぼん で~~す。


新之助さんの十三からきました~~(笑)

投稿: たけした | 2013年1月23日 (水) 23時05分

たけしたさん
「新之助さんの十三からきました」
これってどういうことかな、意味が分からない。

投稿: 杉本清造 | 2013年1月24日 (木) 19時39分

たけしたさん昔お父さんが酒蔵に入って、仕込みしている蔵人に、新酒のしぼりたてを入れてもらって飲んでおられたですよ。
だいぶお好きだったみたいですね。
お酒の仕込みの時期には結構来られてたみたいですよ。

投稿: 杉本清造 | 2013年1月24日 (木) 22時23分

お酒も瓶詰されたお酒と、もろみを搾ってる時の、たれ口で受けて、飲むのとは全然味が違いますから。
酒粕も袋から抜いた直ぐの粕と味が違います。
これは蔵をやっていた人しかわかりません。
それと蔵人と。

投稿: 杉本清造 | 2013年1月25日 (金) 18時38分

あきぼん
Facebookしませんか。

投稿: 杉本清造 | 2013年1月25日 (金) 19時32分

杉本清造さま
横からすんません。
たけしたさんは多分新之介さんのブログ“十三のいま昔を歩こう”に貼って頂いているリンク集からアホげへ来たということを言うておられるのやと思います。
で、たれくちのお酒も剥がしたての酒粕も、醸造元関係者にしか味わえんもんですね。近場に醸造元があってちょっと入ってよばれて…そんな時代がつい近年まであったことを思うと、やっぱり味気ない時代になってしもたんやなぁと…嘆いても仕方ありませんけど。
コメントおおきにでした。

投稿: 山本龍造 | 2013年1月28日 (月) 10時19分

たけしたさんの件、はいわかりました。
昔は酒好きの近所の人や、親戚の人が、よく飲みに来られてました。桶一本を飲むわけじゃないから、あまり気にはしてませんでした。昔は情緒があってよかったですね。今はいじめ問題や体罰、それにモンスターペアレンツ、本当につまらん時代になりました。

投稿: 杉本清造 | 2013年1月28日 (月) 22時33分


本当にこの酒を購入したいです
どこで購入することができます
どうもありがとうございます

投稿: Anita | 2016年5月22日 (日) 18時59分

●Anitaさま
はじめましてこんにちは。
このお酒“錦虎”ですが、大阪府柏原市古町にある“酒のすぎもと”さんで今も売ってはると思います。
ぜひお呑みになってみてください。

投稿: 山本龍造 | 2016年5月27日 (金) 10時22分

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