佐賀の酒『宮の松』醸造元へ立ち寄って、呑んで。で、雑感。
先月行った旅では一軒の造り酒屋さんにも立ち寄りました。
訪ねた先は佐賀県西松浦郡有田町にある合名会社松尾酒造場さん。清酒『宮の松』の醸造元です。
とても感じよい当主と奥さん(…と思われる人)としばしお話しさせてもらって「旅はやっぱり地元に根を張る人々との会話が一番の楽しみやなぁ」とか思いながらのひととき。造り酒屋の置かれている環境も大変やろなぁと思ってそんな話をしておりますと
「我々の業界は…もう絶滅危惧種ですからね」
…と笑いながらおっしゃいました。
そらね、どんだけええお米使って手間ひまかけて造っても、生産性の高い大手商品の価格帯と基本的にそない変わらん価格で市場に出すわけですから、“商売”と考えたら、こらぁ儲からん業種なわけで、廃業したり、大手メーカーから原酒を買って家業を続けたりという蔵元が多くて当たり前ですよね。
今もマジメに自家醸造を続けてはる蔵元さんというのは、「文化を絶やしたらアカン」とか「家業が好き」とか…その心意気で保っているようにも感じられますが…大変だろうなぁ。
旅から帰ってみやげの雲丹を肴に『宮の松・上撰』を冷やで。やさしくキレイな甘口でこれは美味しい。あぁ美味しいおいしいとすいすい昼間から呑んで次に『宮の松・特別純米』を。こちら打って変わって“ドライ”と表現したくなる辛口酒。ちょっと燗にした方が好きな味かな。確か、「佐賀県では甘口が好まれる」と読んだことがありますので、前者を地元向け、後者は県外向けの酒質にしているのかもしれませんね。実際「地元で一番売れているモノを」ということで“上撰”を買ったのですが。
『地酒』に何を求めるか? やっぱり地域性ですよね。美味しかったらええのではなくて、その地域でどんな味のお酒が好まれているのかを知りたいわけで…。決して“名酒”を地酒に求めていない…そんなこと、改めて思いました。
しかしながら、美味しかったなぁ上撰の宮の松、またどっかで売ってないかなぁ…って、ま、旅の思い出とともに呑んで、よりいっそう美味しいと感じた部分もあるのかな。普段は、やっぱりいつものあのお酒を楽しむことにしよ。府産酒ではないけれど、ま、隣県のってことで、やっぱり自分にとっての“地酒”やしね。
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コメント
造り酒屋さんにも色んな内情があるものなんですね。
旅行にてこんな時間を過ごされたのってほんと羨ましい限りです。私は最近、旅行に行く機会が殆どありませんから。
実は私の今している事は、若い時の一人旅が原点でして、そのスタイルはその時と同じ流れなんです。
「地元に根を張る人々との会話が一番の楽しみ」それは今も同じ様に楽しみですね。
そんな旅の思い出と一緒にその土地で造られた酒を飲む。それも羨ましい限りです。大人って感じで。
私、日本酒が全く飲めませんから(笑)
投稿: ナムダー | 2009年11月 7日 (土) 23時11分
ほな、いっぺん酒呑みに行きましょか、日本酒…とか。
味が×?、香り?、酔い醒め?、米アレルギー?…ちょっと気の毒かもですね。
そういう私も焼酎はほぼ呑まないんですけどね。蒸留酒は、ちょっとキツくて。
私の場合、いまやってる探索系小旅は、幼少の頃の「探険ごっこ」の延長線上にある感じですかね。大人になってその探険の範囲が広がったというだけで…って言うても、海外や秘境にはほとんど興味ないんですけどね。
コメントおおきにでした。
投稿: 山本龍造 | 2009年11月 8日 (日) 09時32分
こっち(博多)に来て初めて知ったのですが、九州北部は日本酒文化のエリアでした。九州といえば焼酎かと思っていました。
佐賀に行くと、天山とか能古見とか鍋島とか、色々な日本酒があるようです。酒に強くない私はいつも記憶がなくなるので、銘柄をあまりよく覚えていませんが・・・。
投稿: 荒川防火水槽研究会 | 2009年11月 9日 (月) 08時10分
確かにね、よそモンにとったら“焼酎=九州→温暖”なイメージで私も昔は九州全土が焼酎文化圏と思っていました。実際北九州と南九州では随分気候が違うみたいですもんね。
…とは言え、北九州でも清酒は苦戦しているみたいでさみしい限り。もっと呑んで応援しよかと思っています。そうそう、佐賀のお酒と言えば東一と東長くらいしか知りませんでした。どっちもおいしいお酒ですね。天山、能古見、鍋島もまたどっかで見かけたらためしてみますね。
荒川防火水槽研究会さま、いつもコメント有り難うございます。
投稿: 山本龍造 | 2009年11月 9日 (月) 15時09分