初の茶事体験“夜咄”…まいりました
茶道を習いはじめてもう20年ほどになる。のに本格的な“茶事”に招かれたこともなく「そういうもんもあるんやな」程度にしか認識してなかったのですが、今日、うちのセンセに初めて“夜咄の茶事”に連れていってもらいました。本来は12月頃ということで少し季節外れですが。
そこは府下の新興住宅地の一軒でした。一見普通の住宅でしたが、限られた空間を本当に上手に露地に仕上げてあり、小雨も相まってとても良い風情。手燭をたよりににじり口より四畳半の茶室へ…あと薄茶→炭点前→懐石→中立→濃茶→薄茶(電車の都合もあって後炭は省略)。そのすべてをゆらぎある和蝋燭のあかりのなかで進んでいきます…って、もう最高、至福のひととき、めっちゃ贅沢な時空の楽しみ。写真でも動画でも文章でも説明できんでしょう。
「そうか、これが“お茶”ってもんなんか」と初めて思いました。お点前ってのは茶事のためにあるものなんやなと。普段稽古場でお点前の稽古をつけてもらってるのも、所詮“割稽古”に過ぎんのやと。炭点前、薄茶、濃茶…それらがどのように関連しているのか、身を持って体験できたことは大きな収穫でした。
ほんとに上質で深みある四時間半、これにはもうひとつ“理由”がありました。亭主である女性がホンマもんの“茶人さん”だったからです。ここでいう「ホンマもんの茶人」というのは“教授”という意味ではなく“趣味人”という意味においてです。お道具の一部以下、懐石、主菓子、干菓子まで自分で作られ、しかもどれも素人くさくなく一流の出来。お酒も吟味に吟味を重ねて佐賀県の“東一”を用意してくれてはりました。訊けばお酒以外の食材もインターネットを用い遠方より取り寄せたとか。お点前の手順とか美しさとか表層的なものをついつい“茶道”と思い違いしていたことにも気付かされました。もてなしの心なくして本当の茶事は成立しないということですね。
で、まぁ、今日の体験をひと言で言うならば
“茶事の体験なくして茶道を語るべからず”
ってことになるでしょうか。今まで何をしてたんやろっていう気分。これからは「お茶習うてまんねん」なんか言わんとこ。あ〜はずかし。
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