河内素麺…まぼろし
夏が終わるまでに夏らしいネタ…ということで「河内素麺」を。
この素麺、ネットで調べる限りもう“まぼろし”になってしまったみたいです。数年前まで枚方市の津田地区に一軒、穂谷地区に三軒生産してはる農家があるときいていたのですが…何ともさみしい限り。
“河内素麺”というものがあると知りつつ四十余年食したことなかったのですが、2002年の夏、中河内から北河内まで路線バスで小旅をした折、津田の食料品店に「河内素麺あります」の貼り紙をみて購入。写真はその時のものです。京都の料亭等でも珍重されていたという河内素麺、やはりほとんどの製品は予約で売れてしまうということでしたが「予約しておきながら取りに来んお客さんの分を中元の時期すぎてからバラ売りしてますねん」とのことでした。この写真で見る限りでは“主基乃糸”と“瑞穂乃糸”の2ランクはあったみたいですね。で、どっちのを分けてもらったのかは定かではありませんが、金帯の物でした。で、お味ですが…じつは「ちゃんと三輪素麺とか揖保乃糸と食べ比べしょ」と取り置きしていたものを、知らん間に家族が食べてしまって、味の記憶は曖昧なままとなってしまいました。見た目は、割と細さにバラツキがあった覚えがあります。
河内素麺の里だった津田、穂谷両地区はかつて酒づくりも盛んだったところで、いまも一軒“富士霞”などの銘柄のお酒を醸す重村酒造場さんが、その伝統を守ってはります。「ここが大阪?」な枚方市北部。素麺の里ではなくなってしまったみたいですけど、ほっこりするええとこです。枚方市駅から京阪バスでの小旅がおすすめですな。
(於:枚方市 2002年) 河内素麺の詳細は枚方市のサイトへどうぞ
追記:2009年1月24日付朝日新聞によりますと、一軒だけ、河内素麺の伝統を絶やすまいと頑張っておられる様です。記事によると、三輪素麺に学んだ技術で農閑期に始めた河内素麺は戦前まで訳50軒で生産されていたものの、都市化と機械化の遅れが元で生産者が激減、1991年に8軒、2006年に3軒、2007年には1軒になったと。生産量の少なさ故、近所の常連さんに売るのみとの事です。跡継ぎもおられないみたいですので、やはり、いずれはまぼろしになってしまうのでしょうかね。(2009年1月28日)
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