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2008年2月24日 (日)

あの屋台のじいさんは徳島出身やったんか…

 先日スーパーで『徳島らーめん』という即席麺を見つけました。そのパッケージに記された写真に…「あっ!あの時のスタイルや!」。昔の記憶、というか、ある時の謎が解けた気がしました。
 幼少の時より屋台の中華そばに興味がありまして、でも大人はチャルメラが聞こえると「子取りが来たで!」と言っては子供を寝かせ付けようとしてました。“コトリ”という響き、妙にマイナー調で吹くそのメロディに「怖いもん見たさ」的興味が益々湧いて…ま、この辺で本題へ。
 父親は不衛生やと取り合ってくれなかったものの、比較的わたくしをほったらかしてくれていた母親は夏のある夜、父親が慰安旅行で不在なのをチャンス!と屋台の中華そばを食べに連れて行ってくれました。
 近鉄八尾駅まで電車に乗り、駅を出るとその屋台は佇んでました。“中華そば ○岡(まるおか)”と記された赤い暖簾、長椅子の下には蚊取り線香、駅前の適度な喧噪…手に取るようにその時の空気感を今も覚えてます。で、屋台のおじいさんにふたつ注文し、出てきた中華そば。それには…“チャーシュー”ではなく“甘辛く煮た豚肉”がのっていました。「ふーん、屋台の中華はこうなんや」とその後、自分で作る時もそうしてましたが、そのとき以来、どこの屋台で中華そば食してもこのスタイルはありませんでした。
Oka←この写真のこの感じ、この感じやったんです。その、近鉄八尾駅前に出ていた中華そば○岡のおじいさんが作ってくれた中華そばは。玉子は入ってなかったし、スープも鶏ガラの淡口醤油味やったと思うけど、肉が…肉がこの感じ。そうか…あの屋台のおじいはんは徳島出身やったんか。わからんけどきっとそうやったんや。やさしい感じのもの静かなおじいはん…割り箸も割って渡してくれはったなぁ。こっちが子供なだけで、ホンマはそんな年寄りではなかったんかもしれんけども、ちょっと哀愁漂う屋台ワールドにぴったりな感じやったなぁ。
 その後数年経って駅も高架化で場所が変わり、その“中華そば ○岡”も見かけなくなったけど、あの後、故郷徳島に帰りはったんやろかなぁ…って、勝手に徳島の人に決めつけてるやん。あかんあかん。

※関連記事:
赤川鉄橋たもとの屋台基地』 2013年7月 記
高槻市駅近くで屋台の中華そばを…『東来軒 赤川』。 』 2011年12月 記
春が来る前に、寒空似合う夜鳴きそばの様子でも。』 2010年2月 記
屋台の基地は文化住宅の前やった。』 2009年12月 記
中華そば『三吉軒』の屋台見つけ、幼少期を思う。』 2009年10月 記
屋台中華そばの『大統領』テレビに出てはった。』 2009年8月 記

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コメント

いや~ぁ
ええ話やな~久しぶりにしんみりさせてもらいましたがな・・・忙しい時やったので、カッカッしてた頭と心が和みました。ありがとう!

投稿: 岡田スーさん | 2008年3月 3日 (月) 14時48分

…ええ話でですかいなぁ。「こんな個人的な事記して…読み手には関係ないわなぁ」って思っていたところなんで、そう言うて頂ければ嬉しいには違いないんですけどね。
ちょっと忙しくて一週間分更新が滞ってますけど、今後ともひとつ宜しゅうお願い致します。

投稿: 山本龍造 | 2008年3月 3日 (月) 16時41分

チャルメラ鳴ったら「子取り来んで!」

・・・どこの家でもおんなじことやってたんですね。ただ、うちの場合は夜鳴きそば、もう少し大きくなったら家族で食べてましたね。

「子取り」って言っても大阪弁のアクセントで「子ぉとり」って言うと、なんか間が抜けた感じで「怖い人」という雰囲気もなく、なんでか自分の場合は、童謡「靴が鳴る」の一節「♪みーんなーかーわいー『こーとりー』になーってぇー」とダブってたうえに、この『こーとりー』を何にも考えずに歌っていたので「小鳥」とも結びつかずに(何を書いてるんかわからんなってきました)、「子取り来んで!」って言われても、何にも怖いと思ったことがなかったですね。

一回その「こぉとり」とかいうものを見てみたいと思っていたぐらいです。

投稿: ぽんぽこやま | 2009年7月25日 (土) 01時09分

えぇ?「コトリ」って響きが怖くない…と。確かに「子ぉとり」では怖くないかも。
大阪でも泉州と河内では違うもんなんですね…って、家風が違うだけかもしれませんが。

投稿: 山本龍造 | 2009年7月26日 (日) 16時56分

「子取り」のアクセントが違うんですかねぇ。

「子ぉ取り」といわれるたびに「靴が鳴る」の一節が頭の中に響き渡り、「『かわいい』って言うてるやんかぁ」と一人突っ込みしてまして。変な子やったかもしれませんし、その頃から妙なものを愛でる癖があったのかもしれません。

田辺聖子さんみたいに「噛もか」→「カモカ」とか言われてたほうが怖かったかもしれませんけど、それでも「カモカ」なるものを見たいと思ってたような変な子だったかもしれません。

投稿: ぽんぽこやま | 2009年7月26日 (日) 23時50分

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