琺瑯タンクの余生 1 野ざらしで余生待たされ…
先日の紀州へ行った折、空き地に数十本の琺瑯タンクが野ざらしで置いてある光景を目にしました。
どこかの酒造会社のものが、蔵の改装か何かでとりあえずここに置いてあるのかもしれませんし、廃業、もしくはサーマルタンク導入で要らなくなったものがここに置かれているのかもしれません。
ちょっと昔、ある蔵元でふた冬ほどお酒づくりを手伝っていたことがあるんですが、関西圏では、地球温暖化もあるのでしょうか、普通のタンクの醪は高温になって、モロミ日数がえらく短かったのを思い出しました。残念ながらその蔵、後に廃業してしまい、サーマルタンクはよその蔵に移ったようですが、琺瑯タンクは引き取り手がなく処分に困ってる様子でした。しばらくして、琺瑯タンクを積んだ大型トラックを街で見かけた時「あれはあの酒蔵のかもなぁ」とさみしい気持ちになりました。
時々田畑の隅とかで、酒母用の小さな琺瑯タンクが第二の人生を歩んでいるのを目にしますと「どこの蔵で使われてたんやろか」とそのあたりの廃業した蔵なんかを思い浮かべたりします。
話戻ってその琺瑯タンク置き場の隅に屋外タンクも三基、横倒しで放置されていました。屋外タンクにしては小振りなので、引き取り手がないのかもしれませんが、この手のタンクは焼酎の蔵に引き取られることもあると耳にしました。桶売り桶買い全盛時代、地酒蔵にも屋外タンクを設置して大量に造ってた時代もあった事を思うと、急激に生産量を増やしている焼酎業界とじり貧の清酒業界…時代の流れとは言え、さみしいもんです。ま、わたしにできる事は、お酒を呑むことくらいしかないんですけども。(於:和歌山県海南市)
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